インターフェース通信 2022年3月号 <br>特集「Pythonで地図・地形＆高精度GPS」【立ち読み版】

インターフェース通信 2022年3月号
特集「Pythonで地図・地形＆高精度GPS」【立ち読み版】

■特集案内

　Interface2022年3月号の特集は「Pythonで地図・地形＆高精度GPS」です．第1部では，Pythonでセンチメートル級測位などを実験します．第2部では，データ変換などの地図活用にPythonライブラリを使用してみます．第3部では，無償定番地図ソフト（QGIS）に備わるPython APIで地図の操作をします．
　

　GPSに代表される衛星測位（GNSS）注の精度は従来3～10m程度でした．日本版GPSである準天頂衛星システム（みちびき）などでは衛星測位の誤差をリアルタイムに補正する仕組みが用意されており，センチメートル級精度の測位が可能となっています．

　ナビゲーション機能は，米国のGPS（Global Positioning System）に代表されるグローバル衛星測位システム（Global Navigation Satellite System，GNSS）によって実現されています．

　測位用衛星からの信号を使って受信機の位置を割り出す基本的な原理を解説します．位置の割り出しには多くの誤差が含まれます．測位の精度を上げるために誤差を補正する方法も紹介します．（編集部）

　今日では，複数のGNSSが各国によって運用されています．各GNSS衛星が複数の測位信号を送信しているため，多くの測位信号が利用可能となっています．ほとんどの測位信号が，1.5GHz帯または1.2GHz帯で放送されています．

　いよいよPythonで搬送波位相を使うセンチメートル級の高精度測位に挑戦します．測位処理は前述の標準測位（単独測位）と比べてやや複雑ですが，衛星測位に関する基本原理は同一です．

　Pythonのプログラムを使って実際に地図データを処理する前に，地図に関連するデータにはどのようなものがあるのかを紹介します．地図を表現するデータとして，ベクタ・データとラスタ・データがあります．

　風景写真を撮る場合，主役となる被写体，周辺の景色，遠くの景色が重要になります．電子基準点は，基本的には衛星からの電波が建物などにしゃへいされにくい環境に建てるものです．そのため遠くの景色として入ってくるものとしては，高層ビルなどは考えにくく，山や海などが多くなります．

　ここでは，座標（緯度，経度）から，必要な標高データの名称を特定し，数値標高データ（xml形式）をダウンロードします．それをPythonのライブラリ（fgddem.py）を使って取り扱いやすいデータ（ラスタ形式）に変換し，扱いやすいサイズに切り出します．

　GPS受信機（GNSS受信機）の一般的なログ・データは，米国海洋電子機器協会（NMEA：National Marine Electronics Association）が標準化しているNMEA 0183形式のテキストで保存され，受信機に付属のソフトウェアやRTKLIBなどのフリー・ソフトウェアを使えばグラフなどが出力できます．

　本章では，国土地理院の標高タイルを使って標高値のリストを取得して可視化する方法と，標高タイルを取得して緯度/経度の移動経路のリストから経路の標高プロファイルを自動的に算出する方法を紹介します．

■次号予告

■Interfaceフロアガイド

　今回から，Interfaceが実際に販売されている書店さんの売り場をご案内します．第1回目は，本の街「神保町」の三省堂書店（神保町本店）を紹介します．本誌の売り場は，5階の理工書・コンピュータ書フロアのE-28になります．本棚には新刊が面陳列され，奥のCQコーナには，バック・ナンバも数多く品揃えされています．他の理工書・コンピュータ書も充実していて，書名を眺めているだけで今のトレンドが見えてくるような気がします．神保町にお越しの際はぜひお立ち寄りください．（編集部）
●三省堂書店（神保町本店）東京都千代田区神田神保町1-1　

■見逃しインターフェース

　Interface2021年10月号の特集は「3Dプリンタ＆メカ設計入門」になります．特集は3部構成で，オリジナル・ケースが造形できるようになっています．第1部は，プログラミングでメカ設計を行う「Pythonで3Dモデリング」．第2部は，3Dデータを実際に造形する「3Dプリンタ入門」．第3部は，3D CADで設計する「～ないものは自分で作る～メカ設計入門」となっています．

■Interface バックナンバー