インターフェース通信 2021年5月号
特集「Pythonで無線信号処理」【立ち読み版】
Interface2021年5月号の特集は「Pythonで無線信号処理」となります.特集では,無線の基礎知識から,ディジタル/アナログ変復調,最新OFDMまでを解説し,実装をPythonで行います.さらに,特設では,FM変調波の送信と受信を実機を使って実験し,ソフトウェア・ラジオ作りを体験します.
電気通信,なんてすばらしい技術なのでしょう.電気や電磁波が1秒間に数十万kmという,ものすごいスピードで伝搬する性質を利用することで,数百km,数千km離れていても,すぐ近くにいるかのように音声で通話をしたり,写真や動画をあっという間に送信できてしまったりするのです.
19世紀が終わるころ,人類は電波というとても遠くまで伝搬する性質を持った現象を情報伝達の手段として利用する技術を獲得しました.それから120年ほどが経ち,世界は5Gの時代を迎えようとしています.この間の無線通信の発展は驚くべきものがあります.
電波を使って情報を伝達するには変調という概念がとても重要になります.何も情報を持たない電波のことを,情報を運ぶための乗り物(入れ物)という意味を込めて搬送波,英語でcarrier(キャリア,運び手)と呼びます.この搬送波に情報を載せる方法はこれまでにさまざまな方式が開発されてきています.
100年と少し前に発明された無線通信方式は無線電信でした.無線電信はCW(Constant Wave)などと呼ばれることからも分かるように,搬送波をモールス符号に従ってON/OFFすることで電文を伝えるというとても原始的な方式なのですが,これは一種のディジタル変調と言えると思います.
本章では,USB接続のRF 信号受信機RTL-SDRを使って,FM放送波を受信してみます.RTL-SDRは,ソフトウェア無線の受信機として,3,000~5,000円で市販されています.24~1.7GHzのチューニングが可能です.
特集では無線通信の基礎知識,変調/復調の仕組みについて,プログラミング体験を交えながら理解していただきました.特設では,PCと実機を使いソフトウェア・ラジオを作りながら,アナログ変復調やディジタル変復調を体験してみます.
本章ではアナログ無線通信方式の原理を説明します.題材としては,ディジタル信号処理をとてもシンプルに表現できるFM(周波数変調)方式を取り上げます.
FM変復調の原理を一通り説明した後,送信実験としてPython上でFM変調波を生成し,ソフトウェア無線用RF 送受信機ADALM-PLUTOを使って送信テストを行います.
本章では,第2章でFM変調し,送信した信号の受信を行います.受信テストには前章と同じようにADALM-PLUTOを使います.受信の前にFM受信機の仕組みを解説します.
特集では,ディジタル変調の原理を説明した際にQPSK変調方式についても学びました.本章では,前半でQPSK変調信号を生成する過程を説明し,後半は生成したQPSK 変調信号をADALM-PLUTOを使って送信し,RTL-SDR で受信します.また,Pythonで作成した簡易的なスペクトラム・アナライザで受信信号の波形を確認してみます.
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