インターフェース通信 2019年9月号 農業&自然センシング大研究
Interface2019年9月号の特集は,「農業&自然センシング大研究」となります.第1部では,CO2の測定や温度冷却について,大気のセンシングと制御の研究を行います.第2部では,農業の基礎実験となる,土壌の温度や水分,pH,EC(電気伝導度)などを測定する実験を行っています.さらに,第3部では,実際に利用されている動物の撃退機や雨量センシングなども解説します.
農業へIoTを導入するいわゆる「スマート農業」の動きが高まっています.しかし,大規模なシムテムだとすぐ試すのに敷居が高くなりそうです.一方,センサ・モジュールや超小型PC,無線など価格も安価になり,センシングと制御は自作でも可能です.そこで,今回は,農業と自然を例にセンシング(計測)と制御を実現します.さらに,農業に直接的に役立つ,害獣対策や養蜂箱の温度制御も具体的に解説します.
農業は近年,施設園芸(要はハウス栽培)が普及してきたといっても,まだまだ天候不良による生産量の減少や病害などの問題が解決された訳ではありません.また,台風などの自然災害で大打撃を受けやすいことも大きな問題です.
そこで注目されているのが「植物工場」です.本稿では,ラズベリー・パイ(Raspberry Pi)を使って,卓上サイズの水換え不要な簡易植物工場を作ります.
センシングの対象は,温度や湿度,pH,土壌水分などたくさんありますが,CO2(二酸化炭素)も例外ではありません.温暖化に悪影響を与えるCO2ですが,作物にとっては,光合成で栄養を得る大事な物質です.
ペルチェ素子がよく使われるのはCPUの冷却です.また,電子冷蔵庫に使えばモータが無いので騒音が気になりません.冷却と加熱が同じ素子でできるので,電子部品をチェックする恒温槽にも使われます.ここではペルチェ素子を使った冷却の基本実験を行ってみます.
野菜や稲が,大きく成長し,良質な物をたくさん収穫できるかどうかは,日照とともに,土の管理がポイントとなります.また,土壌に含まれる水分を測定することで,水やり,施肥,土壌の組成変化の判断材料にすることができます.
土壌のpH(ペーハーまたはピーエッチ)は,作物の成長に大きく関わっています.pHを測定することは,作物の品種選定,施肥の方針,土壌改良の是非などの判断の基本情報となります.
また,土壌中の肥料が多いか少ないかを知るうえで電気伝導度ECの測定は重要です.pHとECについて調べ,簡単な測定器を製作して,データのロギングを行ってみましょう.
今回,自作する育苗箱は,入手が難しい土壌ヒータを手作りして,温度制御を行います.土壌ヒータが最大30℃の低温動作のため,コントローラの故障時にもわりと安全です.
害獣に対しては,電気柵や金網など種々の対策が講じられています.このうち,音声を利用した害獣駆除は,ラジオを鳴らす,爆竹音を出すなどがあります.しかし,効果が今ひとつで,害獣が学習してしまうのが難点でした.そこで,「イノシシ撃退機」を作りました.イノシシを直接攻撃せずに撃退できる,動物にできるだけ(?)やさしい装置です.
気象庁などの専門機関で,雨量は,「転倒ます型雨量計」という道具を使って,伝送可能なディジタル量に変換しています.雨を受ける小さなますに,一定量の雨水がたまったら,転倒させて排水するという方法です.このとき,パルス信号を出せば,時間当たりのパルス数から,雨量が分かります.
@東京
オフ会ウィーク 1月21日~25日
1月21日(月)「ESP32マイコン&M5Stack」
1月22日(火)「AIコンパイラの世界」
1月23日(水)「音声信号処理コンピュータ」
1月24日(木)「ラズパイで作る本格Myサーバ」
1月25日(金)「最強Ultra96&AI画像認識」
2月27日(水)「量子コンピュータ」
3月26日(火)「国土地理院で始める地図とIoT」
5月17日(金)「IoT時代のモダンOSの世界」
5月30日(木)「センサARコンピュータの世界」
6月17日(月)「ポインタが使えるモダンC++風言語Rust×組み込みの研究」
6月21日(金)「ラズパイ画像センシング」
7月18日(木)「エッジAIモダン計測制御の世界」
9月(調整中)「農業&自然センシング大研究」
@名古屋
8月26日(月)「エッジAIモダン計測制御の世界」
@大阪
1月31日(木)「最強Ultra96&AI画像認識」
8月27日(火)「エッジAIモダン計測制御の世界」
@京都
2月22日(金)「量子コンピュータ」
@岡山
3月14日(木)「IT農業」
@福岡
1月16日(水)「IT農業」
10月(調整中)「農業&自然センシング大研究」
@仙台
テーマ&調整中
@浜松
5月23日(木)「IT農耕実験の世界」
■次号予告
■見逃しインターフェース
インターフェース2019年4月号特集は,『国土地理院から始める地図とIoT[便利帳付き]』です.国土地理院やGoogleEarth,OpenStreetMapなどの地図情報を活用したIoT農業,SNS/GPSとの組み合わせ実験など,地図で広がるIoTの世界を解説します.また,国や自治体などが公開する位置情報付きのデータを紹介する「地図データ便利帳」も付いています. |
■Interface バックナンバー
国土地理院から始める地図とIoT
算数&電子工作から始める量子コンピュータ
これから期待のコンピュータ技術百科
小型リアルタイム組み込み人工知能
My人工知能の育て方
ラズパイ・ESP32 IT料理実験
ラズパイ・カメラ・センサ IT農耕実験
新定番IoTマイコンESP32大研究
IoT新技術 なるほどブロックチェーン
360°&マルチ時代カメラ画像処理
ちゃんとはじめる学習コンピュータ[事典付き]
もくもく自習 人工知能
AIスピーカの仕組み 音声信号の科学
陸・海・空!ラズパイの限界に挑戦[ムービーDVD付き]
知っ得 世界のAI技術
人工知能ウルトラ大百科
これから注目のIoT無線 大研究
IoTのための地図・地形・地球 大集合
IoTのヒント満載!センサ事典256
ラズパイ実験室 はじめてのIoT 2017
新・科学計算ソフト ウルトラ大集合 [DVD付き]
AI/VR基礎固め!新・画像処理101 [CD付き]
未来USB実験!保存版 新タイプC&給電
初めてのARMとCとアセンブラ [DVD付き]
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