インターフェース通信 2019年8月号 AIモダン計測制御の研究


■特集案内

 インターフェース2019年8月号の特集は,エッジでAIを活用し,革命的な計測制御を行う「AIモダン計測制御の研究」となります.計測制御ロボやロボット・アームで実験し,合わせて,エッジでAIを実現する1万円のGPUボードJetson Nanoについても解説します.



 エッジ・コンピューティングが実現できればクラウド型では得られない高い応答性が期待できます.特にデータ量が多い画像や音声を扱うようなケースでは,クラウド型に比べてリアルタイム性を大きく向上できそうです.ディープ・ラーニングなどのAI技術をエッジに組み込んで実行できるならば,カメラで撮影した画像を使ってモータなどのアクチュエータをリアルタイムに制御したり,LEDを点灯させたりすることが可能になります.



 エッジAIコンピュータによるリアルタイム計測制御には非常に大きな可能性があります.ロボットを自動制御するとか,検出した物体をロボット・アームでつかんで運ばせるとか,いろいろとやってみたいことで夢がふくらんできます.



 モータなどのアクチュエータだけあって,姿勢制御用のセンサが内蔵されていない安価なロボット・アームを題材にして,ディープ・ラーニングを使ったリアルタイム姿勢推定に挑戦しています.実験では,NVIDIAが提供しているAI開発環境DIGITS(Deep Learning GPU Training System)を使います.本章では,DIGITSについて説明していきます.



 従来の姿勢制御手段である姿勢センサなどがない安価な簡易ロボット・アームの姿勢を,AIを使ってリアルタイム測定します.OpenPoseなどの姿勢推定ライブラリは,人間の骨格を前提にしているので,ロボット・アームの制御には使えません.姿勢を推定することが課題になります.
 今回の実験では,ロボット・アームを撮影した画像の各ピクセルがアームのどの部品なのかピクセル単位で検出できるセマンティック・セグメンテーションをディープ(深層)ニューラル・ネットワークによって実現していきます.



 AIモダン姿勢推定を行うために,セマンティック・セグメンテーション処理を担わせる「深層ニューラル・ネットワーク(DNN)」用学習画像データを用意します.



 アノテーション済みの学習データセットができたら,いよいよNVIDIAディープ・ラーニング開発環境DIGITSを使ってセグメンテーションを行うディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)作りに取りかかります.  



 NVIDIAから超小型のGPUボードJetson Nano開発者キットが発売されました.価格は99ドル,国内でも12,000円程度で購入できます(2019 年6 月時点).
 カメラ接続用のMIPI-CSIやI/O 制御用のGPIOを備えたベース・ボードに載せられたGPUコンピュータ・モジュールは,組み込み環境でのAI処理にピッタリに見えます.この記事では,Jetson Nanoの性能をベンチマークした結果を紹介します.



 グーグルの推論AIチップEdge TPUが日本時間2019年3 月3 日に販売開始されました.Google Edge TPUが利用できるボードとして,次の2種類があり ます.
(1) Arm64のCPUコア(Arm Cortex-A53× 4 コア)内蔵i.MX8(NXP)搭載の開発ボードEdge TPU DevBoard(149.99ドル)
(2) USB ドングル(74.99ドル)



※画像をクリックしてください.さらに詳細なInterface2019年8月号の目次をご覧いただけます.



※画像をクリックしてください.「Interfaceオフ会」のページに移ります.

@東京
オフ会ウィーク 1月21日~25日
1月21日(月)「ESP32マイコン&M5Stack」
1月22日(火)「AIコンパイラの世界」
1月23日(水)「音声信号処理コンピュータ」
1月24日(木)「ラズパイで作る本格Myサーバ」
1月25日(金)「最強Ultra96&AI画像認識」
2月27日(水)「量子コンピュータ」
3月26日(火)「国土地理院で始める地図とIoT」
5月17日(金)「IoT時代のモダンOSの世界」
5月30日(木)「センサARコンピュータの世界」
6月17日(月)「ポインタが使えるモダンC++風言語Rust×組み込みの研究」
6月21日(金)「ラズパイ画像センシング」
7月18日(木)「エッジAIモダン計測制御の世界」
@大阪
1月31日(木)「最強Ultra96&AI画像認識」
@京都
2月22日(金)「量子コンピュータ」
@岡山
3月14日(木)「IT農業」
@福岡
1月16日(水)「IT農業」
@仙台
テーマ&調整中
@浜松
5月23日(木)「IT農耕実験の世界」



■次号予告

 農業へIoTを導入するいわゆる「スマート農業」の動きが高まっています.しかし,大規模なシムテムだとすぐ試すのに敷居が高くなりそうです.一方,IoTブームにより,センサ・モジュールや超小型PC,無線など価格も安価になり,植物栽培実験LABOの自作も可能となります.そこで,Interface 9月号(7月25日発売)では,農業の工程(土壌,育苗,栽培,収穫)で必要な測定をセンシングや回路技術で実現します.さらに,農業に直接的に役立つ,害獣対策や養蜂箱の温度制御も具体的に解説します.

●IT農業実験室
1章:土壌のph,EC,栄養分のロギング
2章:土壌温度を制御した育苗機
3章:温度,湿度,CO2を測定し,スマホに無線伝送
4章:雨量と散水モニタ

●今すぐ役立つ自然エレクトロニクス
1章:マイコン,焦電センサ,ドップラーセンサを使用した害獣撃退機
2章:ペルチェ素子を使った養蜂箱の温度制御



■見逃しインターフェース

 インターフェース2019年3月号は『算数&電子工作から始める量子コンピュータ』となります.特別企画として「電子工作で始める量子コンピュータ」,特集は「エンジニアのための量子コンピュータ入門」の2部構成になります.

■Interface バックナンバー

算数&電子工作から始める量子コンピュータ
これから期待のコンピュータ技術百科
小型リアルタイム組み込み人工知能
My人工知能の育て方
ラズパイ・ESP32 IT料理実験
ラズパイ・カメラ・センサ IT農耕実験
新定番IoTマイコンESP32大研究
IoT新技術 なるほどブロックチェーン
360°&マルチ時代カメラ画像処理
ちゃんとはじめる学習コンピュータ[事典付き]
もくもく自習 人工知能
AIスピーカの仕組み 音声信号の科学
陸・海・空!ラズパイの限界に挑戦[ムービーDVD付き]
知っ得 世界のAI技術
人工知能ウルトラ大百科
これから注目のIoT無線 大研究
IoTのための地図・地形・地球 大集合
IoTのヒント満載!センサ事典256
ラズパイ実験室 はじめてのIoT 2017
新・科学計算ソフト ウルトラ大集合 [DVD付き]
AI/VR基礎固め!新・画像処理101 [CD付き]
未来USB実験!保存版 新タイプC&給電
初めてのARMとCとアセンブラ [DVD付き]
スポーツに健康に!ウェアラブル人間センサ入門
SDカード便利帳付き!切手サイズIoT無線センサ入門


■Interface関連リンク先
(1) Interfaceホームページ
(2) Interface(CQ出版)twitter
(3) Interfaceなかの人 twitter
(4) Interface オフ会のページ
(5) Interface facebook
(6) インターフェース通信【立ち読み版】まとめ
(7) Interface バックナンバー

Interface 表紙

CQ出版社オフィシャルウェブサイトはこちらからどうぞ

CQ出版の雑誌・書籍のご購入は、ウェブショップで!


CQ出版社 新刊情報


近日発売

CQ ham radio 2025年 1月号

2025年のアマチュア無線

トランジスタ技術 2025年 1月号

注目のロボット センサ&走行制御!

TECH I シリーズ

マイクロプロセッサ・アーキテクチャ教科書

Interface 2025年 1月号

数学&図解でディープ・ラーニング

別冊CQ ham radio QEX Japan No.53

巻頭企画 ハムのArduino活用の勧め