インターフェース通信 2019年6月号
『見える空間センシング ARコンピュータの世界』


■特集案内

 インターフェース2019年6月号の特集は「見える空間センシング ARコンピュータの世界」となります.VR(Virtual Reality:仮想現実)やAR(Augmented Reality:拡張現実),MR(Mixed Reality;複合現実)は,ゲームやエンターテインメント・コンテンツとして認識される場合が多いですが,それ以外の用途でも利用が進んでいます.今回の特集では,ゲームやエンターテインメント以外のARコンピュータの世界を実験し解説します.



 ここ数年で一気にVRやARの知名度が上がりましたが,実際はどういうものか今一つ分からない人が多いように思います.人間が感じる現実世界とコンピュータのディジタル仮想世界を結びつけると広がるポテンシャルについて触れておきたいと思います.



 センサ・データをVR/ARで表現するために,まずはセンサ・データをマイコン・ボードで取得し,PCや3Dアプリケーション開発ツールUnityに送れるようにします.



 ここまででターミナル・ソフトウェアでシリアル・データの受信ができることを確認しました.今度はターミナル・ソフトウェアを終了してUnityに移ります.
 Unity3dは,PCやAndroidなどの複数環境に向けて3Dグラフィックを使ったアプリケーションが作成できます.ユニティテクノロジーズが開発したゲーム・エンジンです.PCやスマートフォンのカメラを利用することもできます.



 加速度センサ搭載のマイコン・ボードmicro:bitと小型ディスプレイを用いて,加速度センサと角度センサの情報をVR空間で可視化できるデバイスを自作してみます.マイコン・ボードに各種センサをつなげることで,さまざまなセンサ・データをVR表示できます.最近では廉価版のVRデバイスも出てきていますが,まだまだ高額ですし,できるだけ試しやすい構成で実験をはじめます.



 VRは仮想世界を見るだけなのに対してARは主に現実世界を見るものです.ARを実現するにはカメラを追加して現実世界を撮影する必要があります.目に映らない現実世界の情報もセンサから取り込むといろいろ活用できると期待されています.前章のVRコンピュータをベースにしてARコンピュータを作っていきます.



 Unity(ユニティ)という言葉を耳にするようになってきました.これそのものは「単一」などの意味を持つ英単語です.いろいろな用途で使われるのですが,開発の現場でユニティと言えば,9割方「Unity3d」のことを指しているようです.米国のユニティ・テクノロジーズによって開発されている統合開発環境を持っているゲーム・エンジンです.



 次章から,Unityを使って,スマートフォンで動作する簡単なAR/VRアプリケーションを作成します.Webブラウザで動くので幅広い端末に対応し,スマートフォンのブラウザでページを表示するだけで実行でき,アプリケーションのインストールは不要です.既存のWebページに埋め込むことも可能です.ECサイトのページで商品の3DモデルをAR/VRで確認できるようになったりすると便利ですよね.



 今回のアプリケーションは,スマートフォンのWebブラウザで表示できるようにするため開発環境UnityのWebGL ビルドを使います.ビルドして作成されたWebページを外部のWebサーバにアップロードし,スマートフォンからはそのサーバにアクセスすることで,アプリケーションが表示されます.



 前章で作成したアプリケーションに端末のカメラ画像を画面に表示する処理を追加し,VRからARに発展させます.



 Oculus Goは,2018年5月にFacebook傘下のOculusから発売された,スタンドアロンで動作するVRヘッドセットです.
 Oculus Goは同社が発売した中で初めて,ヘッドセットの中にプロセッサやバッテリ・ストレージなど動作に必要な要素を全て内蔵し,単体で動作が可能です.



 Oculus Go向けのソフトウェアを開発するためのSDKは,C/C++ ネイティブコード,Unityエンジン,Unrealエンジンの3種類で提供されています.今回はその中から,Oculusストア上のソフトウェアでも採用例の多いUnityでの開発手順を説明します.



※画像をクリックしてください.さらに詳細なInterface2019年6月号の目次をご覧いただけます.



※画像をクリックしてください.「Interfaceオフ会」のページに移ります.

@東京
オフ会ウィーク 1月21日~25日
1月21日(月)「ESP32マイコン&M5Stack」
1月22日(火)「AIコンパイラの世界」
1月23日(水)「音声信号処理コンピュータ」
1月24日(木)「ラズパイで作る本格Myサーバ」
1月25日(金)「最強Ultra96&AI画像認識」
2月27日(水)「量子コンピュータ」
3月26日(火)「国土地理院で始める地図とIoT」
5月17日(金)「IoT時代のモダンOSの世界」
5月30日(木)「センサARコンピュータの世界」
6月17日(月)「ポインタが使えるモダンC++風言語Rust×組み込みの研究」
@大阪
1月31日(木)「最強Ultra96&AI画像認識」
@京都
2月22日(金)「量子コンピュータ」
@岡山
3月14日(木)「IT農業」
@福岡
1月16日(水)「IT農業」
@仙台
テーマ&調整中
@浜松
5月23日(木)「IT農耕実験の世界」




■次号予告

※画像をクリックしてください.さらに詳細な内容をご覧いただけます.

  Interface 7月号の第1特集では,ラズベリー・パイや専用カメラ,モバイルバッテリ,小型液晶ディスプレイを組み合わせ,持ち運び可能な計測装置を作りました.ラズベリー・パイで取り込んだ被写体の「長さや距離,色」を検出することで,スポーツ計測カメラ,車載カメラ,監視カメラを作ります.第2特集では,Piカメラの基本の設定から上下反転などPiカメラを活用できるようになる便利帳を掲載します.



■見逃しインターフェース

 インターフェース2019年1月号の特集は「小型リアルタイム組み込み人工知能」となります.第1部では,IoT向きArmマイコンで小型人工知能を作ります.第2部では,組み込みAI開発環境の研究.第3部では,最強FPGAボードで,人工知能を使用した画像認識を行います.特設として,これからの人工知能コモンセンスとなる注目のAIアルゴリズム「強化学習」を初解説します.

■Interface バックナンバー

小型リアルタイム組み込み人工知能
My人工知能の育て方
ラズパイ・ESP32 IT料理実験
ラズパイ・カメラ・センサ IT農耕実験
新定番IoTマイコンESP32大研究
IoT新技術 なるほどブロックチェーン
360°&マルチ時代カメラ画像処理
ちゃんとはじめる学習コンピュータ[事典付き]
もくもく自習 人工知能
AIスピーカの仕組み 音声信号の科学
陸・海・空!ラズパイの限界に挑戦[ムービーDVD付き]
知っ得 世界のAI技術
人工知能ウルトラ大百科
これから注目のIoT無線 大研究
IoTのための地図・地形・地球 大集合
IoTのヒント満載!センサ事典256
ラズパイ実験室 はじめてのIoT 2017
新・科学計算ソフト ウルトラ大集合 [DVD付き]
AI/VR基礎固め!新・画像処理101 [CD付き]
未来USB実験!保存版 新タイプC&給電
初めてのARMとCとアセンブラ [DVD付き]
金融ビッグデータ AI解析に挑戦
IoT&スパコン!ラズパイ時代の自分用コンピュータ作り
スポーツに健康に!ウェアラブル人間センサ入門
SDカード便利帳付き!切手サイズIoT無線センサ入門


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