インターフェース通信 2019年1月号『小型リアルタイム組み込み人工知能』


■特集案内

※画像をクリックしてください.さらに詳細なInterface2019年1月号の目次をご覧いただけます

 11月25日発売のインターフェース1月号の特集は「小型リアルタイム組み込み人工知能」となります.第1部では,IoT向きArmマイコンで小型人工知能を作ります.第2部では,組み込みAI開発環境の研究.第3部では,最強FPGAボードで,人工知能を使用した画像認識を行います.特設として,これからの人工知能コモンセンスとなる注目のAIアルゴリズム「強化学習」を初解説します.さらに,別冊付録としてコンピュータの役立つ情報が掲載された「Interface コンピュータ手帳2019」が付いています.



 本稿では,小規模なワンチップ・マイコンでも学習済みニューラル・ネットワーク・モデルを動かせる開発環境&オープンソース・ライブラリを紹介し,2,000円ちょっとで入手できる入門Armマイコン・ボードmicro:bitで超小型&リアルタイム人工知能を動かしてみます.



 2018年7月にソニーから発売された「SPRESENSE(スプレッセンス)」は,6つのCortex-M4Fコアを内蔵したマルチコアArmマイコン搭載小型ボードです.6コアのCortex-M4Fを内蔵したSPRESENSEは,計算性能に優れているだけではありません.最新のシリコン・プロセスで製造されており,低消費電力で使えるように作られていて,乾電池で動かすことも可能です.リアルタイムな人工知能(AI)端末やIoT(Internet of Things)に使えるマイコン・プラットフォームです.



 Arm Cortex-M CPUをなんと8 個も搭載していながら低消費電力で動作可能なマイコン・ボードSPRESENSE(ソニー)が発売されました.画像認識に必須のカメラも接続可能です.本特集では,このArmマイコン・ボードSPRESENSEを使って人工知能画像認識にチャレンジしてみたいと思います.消費電力の小ささを生かして,乾電池で動かしてみます.



 2015年頃から始まったディープ・ラーニング・フレームワークの開発競争は,2017年でほぼ収束したようです.世界的にデファクト・スタンダードとなったのはTensorFlowです.そこに加えて,より簡単に使えるKeras,プロトタイプ開発に向いているPyTorch,そして国内では根強い人気のChainer,といった辺りでユーザも定着した感があります.



 2018年夏に,ラズベリー・パイ(Raspberry Pi,以下ラズパイと呼ぶ)とほぼ同等の名刺サイズのArmコア内蔵FPGAボードUltra96(アヴネット)が発売されました.メインSoC(最近FPGAメーカはArmコア内蔵FPGAをSoCと呼ぶ)として,高性能Zynq UltraScale+MPSoC(ザイリンクス)を搭載し,高位合成環境SDSoC/Vivado HLS を同梱していながら29,800円(税別)という,従来のFPGAボードからは考えられないほどのお手頃価格です.



 ここからは,第1章で紹介した最強FPGAボードUltra96(Ultra96 Zynq UltraScale+ ZU3EG 評価ボード,以下Ultra96ボード)を使って,画像認識人工知能の高速化に挑戦してみます.



 最近,ディープ・ラーニング(深層学習)が大きな成果を上げています.その成果の1例として次のものがあります.
・囲碁や将棋が人間よりも強くなった
・テレビ・ゲームで人間よりも高得点をとれるようになった
・ロボットがモノをうまくつかんで仕分けられるようになった
・ぶつからないように車が自動的に動いた
 実はこれらは「深層強化学習」と呼ばれ,ディープ・ラーニングに強化学習を取り入れたアルゴリズムです.深層強化学習は,さまざまな学習法が提案されていて,ホットな分野となっています.


■次号予告

 12月25日発売のインターフェース2月号では,500号記念として,Interfaceが専門とするコンピュータ技術に関する重要なキーワードを,多くの図表を使いながら分かりやすく説明します.第1部では,これからのコンピュータで重要な人工知能(AI)をテーマにします.第2部ではコンピュータを構成するハードウェア/ソフトウェア技術を幅広く取り上げます.



 Interface(インターフェース)は,44年前の1974年(昭和49年)1月のトランジスタ技術別冊から始まりました.2019年2月号(2018年12月25日)で,創刊500号を迎えます.そこで,Interfaceでは,これからの方向性をセミナで紹介する「コンピュータ・サイエンス&テクノロジの未来」を2019年2月15日[金]に秋葉原コンベンションホールで開催いたします.事前登録は,2018年12月25日より開始します.

◎開催概要
●名称●Interface 500号記念ワークショップ『コンピュータ・サイエンス&テクノロジの未来』
●会期●2019年2月15日[金]
●会場●秋葉原コンベンションホール 東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル
●主催●CQ出版社/Interface
●参加料●2000円/1セッション(予価/事前登録制)
●運営●CQ出版社 TSE事務局


■見逃しインターフェース

 インターフェース2018年8月号は,IoTの新技術と期待されているブロックチェーンを特集します.暗号通貨からはじまったブロックチェーンの技術をIoTなどの組み込み機器に使用します.そこで,暗号技術やネットワークなどの実験をラズパイで行い,センシングや制御のポテンシャルも探ります.さらに「量子コンピュータ はじめの一歩」や人工知能のテクノロジ研究「TensorFlowウォッチ2018」など話題のテーマが満載です.

■Interface バックナンバー

IoT新技術 なるほどブロックチェーン
360°&マルチ時代カメラ画像処理
ちゃんとはじめる学習コンピュータ[事典付き]
もくもく自習 人工知能
AIスピーカの仕組み 音声信号の科学
陸・海・空!ラズパイの限界に挑戦[ムービーDVD付き]
知っ得 世界のAI技術
人工知能ウルトラ大百科
これから注目のIoT無線 大研究
IoTのための地図・地形・地球 大集合
IoTのヒント満載!センサ事典256
ラズパイ実験室 はじめてのIoT 2017
新・科学計算ソフト ウルトラ大集合 [DVD付き]
AI/VR基礎固め!新・画像処理101 [CD付き]
未来USB実験!保存版 新タイプC&給電
初めてのARMとCとアセンブラ [DVD付き]
金融ビッグデータ AI解析に挑戦
IoT&スパコン!ラズパイ時代の自分用コンピュータ作り
ラズパイ実験・64ビット・Linux ARM直伝解説
スポーツに健康に!ウェアラブル人間センサ入門
SDカード便利帳付き!切手サイズIoT無線センサ入門


■Interface関連リンク先
(1) Interfaceホームページ
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