Interface 2018年11月号『ラズパイ・ESP32 IT料理実験』

■特集案内

　インターフェース2018年11月号は，ラズパイやESP32を使用した，IT料理の実験を行います．実験として，低温調理器やIoT熟成カレー調理器，IoT透明氷メーカ，においセンサなどを解説します．また，食のテクノロジとして，味覚センサやにおいセンサ，おいしそうさを推定する料理画像，調理をAIでアシストする研究などを紹介します．
　第2特集では，実際に農業などのアウトドア用途にも使えそうな厳選10種類のIoTセンサの使い方を紹介します．さらに，研究特集として，JPEG画像センシングによる美容テクノロジに迫ります．

　ここではRaspberry Pi（ラズベリー・パイ）を用いて製作した低温調理器を紹介します．低温調理器を使える代表的な料理には，ステーキ，チャーシュー，コンフィ，魚の煮物などがあります．さまざまな食材に応用でき，低温調理した肉は柔らかくジューシーに仕上がります．

　日本の炊飯器は，IH技術，真空技術，温度制御技術など，お米を炊くための細かい制御をしています．それにより誰でもおいしいご飯を炊きあげることができます．しかし他の料理について，炊飯器のように全てを自動的にやってくれるものはあまりありません．今回は，今までありそうでなかった「2日目のカレー促成鍋」を実現してみました．

　今回は，筆者が住むタイ王国で，部屋に持ち込むだけで「においテロ」と呼ばれるドリアンのにおいを測定してみました．果物のにおいの変化を定量的に観測できれば，成熟度の推定に応用できるのではないかと考えています．

　味覚センサは，既にビール，発泡酒，日本酒，焼酎，ワイン，ジュース，牛乳，ヨーグルト，ミネラル・ウォータ，お米，パン，お菓子，肉類，魚介類，餃子，野菜類，果物，だし，スープ，緑茶，コーヒー，調味料，味噌，しょうゆなど数多くの食品の味の数値化や品質評価に使われています．

　本稿では，実際に農業などのアウトドア用途にも使えそうな厳選10種類のIoTセンサの使い方を紹介します．マイコンには，ラズベリー・パイやArduinoとはひと味違う，Wi-Fi付きで700円の新定番IoT向けモジュールESP32を使います．センサをつなげることでどんな可能性があるかも探っていきます．

　本誌2018年5月号の特集記事「あなたの知らない生体計測の世界」では，スマホやウェブ・カメラなどで撮影した普通のJPEG圧縮された顔や手足のカラー画像データから，皮膚組織の真皮層の毛細血管の分布状態や皮下組織内の血管を可視化する技術について紹介しました．今回は美容や健康管理の分野にHyperSenseを応用できないか検討してみます．

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■次号予告

　最近は開発環境をPCにインストールしなくても，グーグルやソニーが用意した人工知能を動かすことができます．便利にはなったのですが，避けて通れないのが，人工知能を育てるためのデータの準備です．育てるためのデータがないと，オリジナルの人工知能が作れません．そこで12月号では，人工知能の育て方（学習用のデータづくり）について解説します．

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■見逃しインターフェース

　インターフェース2018年6月号は，「ちゃんとはじめる学習コンピュータ［事典付き］」と「ウェアラブルのための組み込みAI生体計測の研究」の二本立となります．特集では，Raspberry Piをはじめ，ArduinoやMbed，micro:bitなど，ちゃんとはじめられる学習ボード・コンピュータを解説します．特別企画では，組み込み人工知能で広がる世界を紹介し，マイコンでも動かせる軽量人工知能アルゴリズムなどを解説します．

■Interface バックナンバー