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解説
ラズベリー・パイPicoは,ネット通販や秋葉原で気軽に買ってきて,PCがあれば気軽に始められるマイコンです.これでも32ビット・マイコンで動作速度は100MHz超,20年前なら高級マイコンです.さらに単に動作速度が速いだけではなく,正確なタイミングで信号制御ができるI/Oコントローラやリアルタイムでの信号補間処理に特化したハードウェアも内蔵し,現代の最新マイコンに比べても一歩進んだ応用が可能なポテンシャルを持っています.
せっかくすごい道具が手に入ったのですから,使わない手はありません.まずはPCにつないで動かしてみましょう.高価な専用の機材は必要ありません.最初は定番のLチカから始めても良いですし,本書を見て興味が湧いた本気の製作例を真似てみるところから始めることも,マイコン学習の早道です.
最新の話題として外せないのが,PicoにWi-Fi機能を追加したラズベリー・パイPico Wがリリースされたことです.Pico Wがインターネットに繋がれば,便利なクラウド・サービスと連動した大規模なシステムへの応用も可能となります.本書では国内販売を先取りして,Pico Wの詳細な仕様から実際の製作例までを幅広く紹介しています..
※本書は月刊Interface2021年8月号「ラズパイのマイコンPico攻略本」を中心に関連記事を集め,加筆修正したものです.
※ 本コンテンツは,2023年3月15日発売の『ラズベリー・パイPico/PicoW攻略本』をPDFファイルとしたものです.
詳細な内容はこちら
目次
はじめに51×21mmの小さなボディにデュアル・コアCPUと高機能I/Oコントローラを凝縮
第1章 これがラズベリー・パイPicoだ
カメラやLCDを搭載するAI向け高機能タイプも
第2章 RP2040搭載ボード&Pico用拡張ボード図鑑
1200円で買える無線マイコン・ボード!CとMicroPythonでLチカ&HTTPクライアントを試す
第3章 PicoのWi-Fi版「Pico W」
搭載マイコン・チップRP2040は単体でも販売されるから製品開発にも使える
Appendix1 今マイコンを始めるならコレ!Picoがお勧めな理由
ラズベリー・パイやPCのI/Oボードとして活躍しそう!そうなれば強力なIoT端末が作れそう
Appendix2 Picoマイコンの立ち位置
教育/試作/業務まで幅広く使える
Appendix3 公式の開発言語はC/C++とマイコン用Python
第1部 開発のための基礎知識
開発環境の構築方法からPico C/C++SDK付属サンプル・プログラムの試し方まで
第1章 開発環境1…ラズベリー・パイ4を使った公式推薦のプログラミング
ラズパイ4向けの公式C/C++ SDKをWindowsやLinuxで使う
第2章 開発環境2…PCだけでPicoをプログラミング
VS Codeからリモート接続!メインPC環境に手を入れずに公式SDKが使える
第3章 開発環境3…PCからラズパイ経由でPicoをプログラミング
Arduino IDEで開発したスケッチをステップ実行!ブレーク・ポイント設定や変数などの情報を見える化
第4章 汎用デバッガ×VS Codeで構築するデバッグ環境
新たな後継マイコンが登場してもアプリ側で対応しやすい
第5章 公式C/C++ SDKの構造とRP2040ハード機能の使い方
流入/流出電流値や内部プルアップ/プルダウン抵抗値など
第6章 実験でチェック! I/O端子の実力
多数ある拡張ボードを利用してサクッと試作
第7章 Arduino互換ボード利用のススメ
新定番になりうるのか?スペックの違いから特徴が生きる用途を考える
Appendix1 700円マイコンESP32とPicoを比べてみた
第2部 変幻自在プログラマブルI/O
ハードウェア詳細とC/C++ SDKによる開発
第1章 使い方完全マニュアル
正確なタイミングの高速I/Oを作れる
第2章 プログラマブルI/Oの機能と簡易ライブラリ
GPIOにはできない速度!リアルタイムがうれしい
第3章 簡易ライブラリで複数のRCサーボや測距センサを動かす
PIOアセンブリ・コードが手軽に作れる
第4章 実機がなくてもデバッグできる簡易PIOエミュレータ
第3部 ホストにもデバイスにもなれるUSB機能
USBホスト&デバイスのサンプル・プログラムを動かす
第1章 USB周りのハードウェア概要とライブラリTinyUSBの使い方
PCからはHIDデバイス&マス・ストレージとして見える
第2章 USBキーボードをCircuitPythonでサッと作る
第4部 リアルタイムOSを載せる
アマゾンのバックアップで機能が充実!複数の処理もマルチタスクでシンプルに書ける
第1章 FreeRTOSを載せる方法
安定性や対応マイコンの多さなどから試作に使いやすい
第2章 ITRON仕様OS TOPPERS/ASPの載せ方
第5部 人工知能を載せる
開発環境のセットアップからマイコン向けサンプルの試し方まで
第1章 フレームワークTensorFlowの準備
加速度センサの値からスクワットやダンベル動作を推論する
第2章 オリジナルの学習済みモデルを動かす
第6部 限界突破!開発事例
ちょっとしたデバイスをサッと動かすのにPicoは便利
第1章 受信モジュールを利用したFMラジオの製作
固定小数点演算/フィルタ/オシレータの工夫で
第2章 リアルタイム処理のために軽量化!シンセサイザの製作
前章に改良を加える
第3章 音の時間変化に対応したシンセサイザ作り
リアルタイムOS TOPPERS/ASPを利用する
第4章 128×128ドット・マトリクスLEDによる掲示板
第7部 Windowsでマイコン直たたき!RP2040の本質に迫る
C/C++でHello world!&Lチカ
第1章 自前のプログラムをビルドする
WindowsのPowerShell内でmake一発でプログラムをビルドしたい
第2章 公式SDKを使わずにLチカとUART通信
マルチコア・プログラムを公式SDKを使わずにアセンブラから書き下ろす
第3章 LチカとHello World!を2コアで並列動作させてみた
PIO専用アセンブラを使ってPWMパルス生成とUART通信
第4章 噂のプログラマブルI/Oはこう使う
第8部 Picoのプロトタイプに! MicroPython
MicroPythonと相性抜群のThonnyで始める
第1章 開発環境を構築する
シリアル通信/PWM/ウォッチドッグ・タイマなど
第2章 GPIO活用リファレンス
浮動小数点演算とマルチスレッドの実行時間を他のマイコン・ボードと比較
第3章 MicroPython×Picoの実力検証
ライブラリ一覧とプログラム開発のポイント
第4章 PIOプログラミング[導入編]
定番Lチカからスイッチ入力,ロータリ・エンコーダ用ドライバまで
第5章 PIOプログラミング[事例集]
ESP32向けに書いたMicroPythonプログラムをPico向けにCircuitPythonで書いてみた
第6章 CircuitPythonの特徴と互換性
第9部 C++を利用してPico用のMyicroPython拡張モジュールを作る
STM32向けを流用して,ラズベリー・パイPicoとRZマイコンで試す
第1章 開発の準備…環境構築とビルド&拡張の手順
Arduino用C++ライブラリを改造してPico用MicroPythonの拡張モジュールに作り替える
第2章 拡張事例1…8×8マトリクスRGB LED
(1)フォント描画,(2)SPI通信,(3)ファイル・システム
第3章 拡張事例2…SPI接続のLCD
ESP8266を利用しクラウドAWSにMQTTでトピックをパブリッシュするまで
第4章 Wi-Fiネットワークの追加
LCDやカメラの拡張モジュールを作る
第5章 おまけ…ルネサス・マイコンでの事例
第10部 Pico W活用事例
せっかくだからPico Wを簡単なウェブ・サーバにしてみた
第1章 公式サンプルの活用法
Pico Wファームウェア書き込み/Wi-Fiルータ接続プログラムの入手/HTTP通信
第2章 Wi-Fiのアクセス・ポイントに接続して通信する
Eclipse Mosquitto/MQTT Explorer/Grafanaの導入
第3章 Pico Wで得たセンサ・データをWi-Fi経由で取得する
デバイス証明書/キーファイル/署名ファイルを整える
第4章 AWS IoTへ接続しMQTTメッセージを送信する
プログラムをネットワーク経由で編集/実行できる
第5章 MicroPythonのWebrepl機能を使うための設定と実行方法
pico sdk関連のライブラリやpico_wフォルダ中にあるサンプルの紹介
第6章 Pico W用のサンプル・プログラムをビルドする
Pico Wを使う際には技適特例申請が必要です(2023年1月時点)