コンテンツコード | DP42054 |
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著者 | 馬場 清太郎 |
発行元 | CQ出版社 |
価格(ライセンス料金) | 2,640円 |
仕様 | A5判 377ページ PDF 約8Mバイト |
発行日 | 2012/03/01 |
更新日 | 2021/06/16 |
制限 | ダウンロード制限: サービス停止まで |
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ライセンス条件 | ●本書は著作物であり,著作権法により保護されています.本書の一部,または全部を著作権者に断りなく,複製または改変し他人に譲渡すること,インターネットなどに公開することは法律により固く禁止されています.違反した場合は,民事上の制裁および刑事罰の対象となることがあります. ●本書は,CQ出版社から出版された,2018年8月1日 第7版発行の同タイトルの書籍をPDFファイルとしたものです.電子版制作の都合上,オリジナルの書籍と比べて,一部の書体や線の太さ・種類が変更になっている場合があります.また,電子版という性格から,オリジナルの書籍と同一のプリント品質は保証できません.ご了承ください. ●予告なく,本サービス(Tech Village 書庫&販売)を一時休止または終了することがあります.サービス休止時やサービス終了後は,本コンテンツをダウンロードまたは閲覧できなくなります. |
解説
※ コンテンツ・リクエストのご要望にお応えして,本書の電子版を制作・公開しました.
電源回路は,電子機器の動作にとっては必要不可欠な存在です.しかし実際の機器設計においては,機能実現のための電子回路の設計が優先され,この「心臓部」の設計がないがしろにされることがよくあります.便利なICが数多く供給されているため一見簡単そうに見える電源回路は,最後に設計され,空いた場所に実装される場合が多いと思われます.ところが,電源回路はノイズと熱を出すため,肝心な機能がその影響で実現できず,回路設計と配置や放熱設計のやりなおしが必要になることもあります.
本書では,最近の安定化電源回路を取り上げます.安定化電源の回路方式を大別すると,出力を連続的に安定化するリニア・レギュレータと,スイッチングを用いて不連続的に安定化するスイッチング・レギュレータ(DC-DCコンバータ)があります.最近では,電子回路の高効率化の要求が高まり,それにあわせて小型化/低価格化の要求も厳しく,ほとんどの電子機器にDC-DCコンバータが採用されるようになりました.しかし,DC-DCコンバータ回路には明示されていないパラメータが多く,動作を真に理解するには,簡単でわかりやすい近似式を立てて設計し,実験して検証することが必要不可欠です.本書では,各種電源回路の動作を近似によって簡単な1次式で表して,その設計手法を具体的に示していきます.
本書は「わかる!! 電源回路教室」として『トランジスタ技術』誌に連載した記事を大幅に加筆して再構成したものです.
目次
第1章 電源回路設計の概要1-1 電源回路が正常に動いて初めて機能が実現できる?
1-2 出力電圧が安定化された電源回路の作りかたを解説する
1-3 直流を使う2種類の電源回路を中心に扱う
1-4 実用的な電源システムを設計するには
1-5 電源回路の設計時には負荷の性質も考える必要がある
1-6 直流安定化電源のトレンド
1-7 理想の電源回路とは
1-8 電源回路の重要な特性「効率」
1-9 直流安定化電源設計の第一歩は方式の選択
Column 安定化電源に関連した用語
第2章 シャント・レギュレータ
2-1 制御素子が負荷と並列に入るシャント・レギュレータ
2-2 シャント・レギュレータICの使いかた
2-3 ツェナー・ダイオードとシャント・レギュレータICの特性
Column シャント・レギュレータは無負荷時の損失が大きい
第3章 3端子レギュレータ
3-1 シリーズ・レギュレータとは
3-2 定番の3端子レギュレータ
3-3 3端子レギュレータICを使うときの注意点
Appendix A 3端子レギュレータの放熱設計
第4章 LDOレギュレータ
4-1 LDOレギュレータは入出力の電圧差が小さくても動く
4-2 シリーズ・レギュレータICの使用法
Appendix B 出力トランジスタの接地形式
第5章 リニア・レギュレータを安定に動作させる
5-1 レギュレータが発振するメカニズム
5-2 レギュレータICの発振原因
5-3 レギュレータICを発振させる実験
Column ステップ応答と電圧変動への対応
Appendix C ボーデ線図の描きかた
第6章 スイッチング・レギュレータの基礎
6-1 スイッチング方式の特徴
6-2 基本構成と動作
6-3 損失の原因と対策
6-4 スイッチング・レギュレータの種類
6-5 簡単なスイッチング・レギュレータを作ってみる
第7章 降圧型コンバータの基本回路
7-1 降圧型コンバータの回路
7-2 降圧型コンバータの設計手順
7-3 降圧型コンバータを作ってみよう
7-4 降圧型コンバータを動かしてみよう
7-5 実用的な降圧型コンバータの条件
第8章 スイッチング電源の回路形式
8-1 トポロジー変換を行うに当たって
8-2 非絶縁型コンバータのトポロジー
8-3 電圧変換率を求める意味
8-4 電源回路トポロジー一覧表
第9章 降圧型コンバータの実用回路
9-1 実用的な電源回路には何が必要か
9-2 実用的な降圧型コンバータを作ってみる
9-3パワーMOSFETによる実用的な降圧型コンバータ
9-4 最近のスイッチング素子はパワーMOSFET一色
9-5 最近の降圧型コンバータICの例
Column セラミック・コンデンサ使用時は直流バイアス特性を考慮する
第10章 昇圧型コンバータの実用設計
10-1 昇圧型コンバータの設計方法
10-2 昇圧型コンバータを作ってみる
10-3 昇圧型コンバータの改良
第11章 昇降圧型コンバータ
11-1 昇降圧型コンバータの設計
11-2 制御方式Iの昇降圧型コンバータ
11-3 制御方式IIの昇降圧型コンバータ
11-4 最近の昇降圧型コンバータ制御IC
第12章 反転型コンバータと新型コンバータ
12-1 動作原理と特徴
12-2 反転型コンバータの設計と実験
12-3 新型コンバータの設計と実験
12-4 反転型/昇降圧型/新型コンバータの実用回路
第13章 DC-DCコンバータと効率
13-1 効率の計算方法
13-2 同期整流回路を使用する
13-3 同期整流回路の実験
Appendix D 電源各部の損失の計算方法
第14章 高効率DC-DCコンバータ用IC
14-1 最高スイッチング周波数4MHzの同期整流降圧型コンバータLTC3561
14-2 0.3Vから動作する同期整流昇圧型コンバータTPS61200
14-3 最大効率96%の同期整流昇降圧型コンバータTPS63000
14-4 2A連続出力/広入力電圧範囲の同期整流昇降圧型コンバータLTC3533
第15章 DC-DCコンバータを安定に動作させる
15-1 発振してしまう理由
15-2 降圧型コンバータの負帰還安定度
15-3 安定度をシミュレーションで予想
15-4 ループ・ゲインの測定方法
15-5 負帰還安定度を実験で確認
15-6 安定度を確保するもう一つの方法
15-7 降圧型コンバータの高周波スイッチング
15-8 他形式のDC-DCコンバータ
Column PWM信号の周波数スペクトル
第16章 DC-DCコンバータの高速制御
16-1 電流モード制御による高速化
16-2 電流モード制御の実験
16-3 実用的な電流モードDC-DCコンバータ
16-4 ON/OFF制御による超高速DC-DCコンバータ
Column 電流モードの特徴
第17章 インダクタとトランス
17-1 電気学と磁気学
17-2 アンペアの法則とファラデーの法則
17-3 磁性体のふるまい
17-4 渦電流による損失
17-5 インダクタとトランスのインダクタンスを求める
17-6 磁束密度を求める
17-7 保存エネルギーと損失
17-8 インダクタのあらまし
17-9 トランスのあらまし
Column 磁界の単位は「テスラ」
Appendix E カレント・トランスとは
第18章 抵抗とコンデンサの基礎知識
18-1 抵抗
18-2 コンデンサ
18-3 スナバ回路
18-4 ディレーティング
第19章 電力用半導体の基礎知識
19-1 高速ダイオード
19-2 バイポーラ・トランジスタ
19-3 パワーMOSFET
19-4 ディレーティング
Column 少数キャリア素子と多数キャリア素子
Column ワイド・バンドギャップ半導体
第20章 プリント基板のパターン設計
20-1 スイッチング電源の出力ノイズ
20-2 プリント基板設計