Interface 2018年2月号『知っ得 世界のAI技術』
今月の特集は「知っ得 世界のAI技術」と「新時代プロセッサ システム作りの世界」の2本立てとなります.「知っ得 世界のAI技術」では,今,注目が集まるVoltaやTPUなどのAI専用チップ約30製品をレーダーチャートで特徴を比べながら解説します.また,TensorFlowなど,機能が絶賛進化中のAI開発環境も合わせて解説します.「新時代プロセッサ システム作りの世界」では,RISC-Vコア「SCR1」と低価格FPGA 基板を使ってMyプロセッサを設計し動かしてみます.今月のInterfaceも知っ得な情報が満載です.
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今,注目が集まるVoltaやTPUなどのAI専用チップ約30製品をまとめます.このほかにも有象無象のAIチップが世の中には存在するようですが,ほとんど実態が分かりません.何とか概要が分かるものについて取り上げています.
なお,今回,各AIチップの特徴を示した図1のレーダーチャートは,情報が不明なものもあり,筆者個人の主観で期待を込めて値を付けていますこと,ご了承ください.
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本稿は,2018年に主流になると思われるAIチップの動向を俯瞰(ふかん)するものです.この分野では,先行しているNVIDIAをはじめ,グーグル,インテル,マイクロソフトが3強です.この1+3社の動向を追っていれば流行遅れにはならないと思いますが,その他のメーカのAIチップ事情に関しても説明します.特に日本でのAIチップの開発についても説明します.日本ではAI開発で米国に追い付け,追い越せという風潮が高まっています.日本勢の巻き返しにも期待したいところです.
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現在のAIブームの立役者はNVIDIAであると言っても過言ではありません.NVIDIAはGPUを使ってテンソル処理が高速に実現できることを実証しました.それだけに,競合他社がテンソル処理(のみ)に特化したチップを開発する中で,グラフィックス処理も可能なGPUでAI(ディープ・ラーニング)分野の覇権を握ろうとしています.
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今後出てくるであろう新しいハードウェアにも対応し始めたGoogle「TensorFlow XLAコンパイラ」,無限ともいえるウェブの中から「点」と「点」をつなげ,見えてくる近未来の世界を探っていきます.
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ソフトウェアの世界ではオープンソースの考え方が浸透していて,多くの人がそのコミュニティに参加・貢献し,また恩恵を受けています.同様にハードウェアについても,オープンソースの思想が普及してきています.
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オープンで自由に使える命令セット・アーキテクチャRISC-Vが提唱されて以来,それに準拠した商用またはオープンソースのCPUコアIPが数多く登場しています.このうちオープンソース系のコアについては,FPGAやSoCへの実装のやりやすさやプログラム開発時の実用性がきちんと整備されているかどうかが選択の重要なポイントになります.本稿ではこうしたオープンソースCPUコアの一例としてSyntacore社のSCR1を紹介します.
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