CQエレクトロニクス・セミナ Eメール講座(1)【 組み込みプロセッサ技術 】

 Eメールによって電子技術や組み込み技術を勉強できる「CQエレクトロニクス・セミナ」が開講されます.第1回目は「組み込みプロセッサ技術」をテーマに,初学者を対象とした解説記事をお届けします.組み込みシステムの中核となる「組み込みプロセッサ」について,学んでいきましょう.週1回程度の頻度で配信.

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_/_/_/_/  組込みプロセッサ技術 第1回 組込みプロセッサとは
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 本メール・マガジンは,『CQ出版 エレクトロニクス・セミナ』が提供する
電子技術者向けのスキルアップ講座です.CQ出版は,東京・巣鴨を拠点に,電
子技術/組み込み技術の専門セミナを企画・開催しています.
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----- CONTENTS ------------------------------------------------------
1.組込みプロセッサの役割と分類 (1)
 1.1 組込みプロセッサとは
 1.2 組込みシステムの中におけるプロセッサの役割
  1.2.1 システムの初期化
  1.2.2 システムの実行
  1.2.3 システムの終了
  1.2.4 システムのデバッグ
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1.組込みプロセッサの役割と分類 (1)


1.1 組込みプロセッサとは
 組込みプロセッサは,組み込みシステムのソフトウェアを実行するものであ
る.従って,組込みシステムの中で最も重要な構成要素の一つと言える(写真
1.1).プロセッサには,ほかにサーバ向けやパソコン向けなどさまざまなもの
があるが,本書では単にプロセッサと呼ぶときは組込みプロセッサのことを意
味するものとする.

●写真1.1
-- http://cc.cqpub.co.jp/system/contents/105/

 組込みプロセッサと一言で言っても実際には幾つもの種類があり,それらは
図1.1に示すように,汎用性と性能のグラフにマップされる.

●図1.1
-- http://cc.cqpub.co.jp/system/contents/106/

 汎用プロセッサはその名のとおり汎用的であり,さまざまなソフトウェアの
実行が可能だが,同じ動作周波数を持つ応用指向プロセッサやアプリケーショ
ン専用回路と比較して,それほど性能は高くない.マイクロプロセッサ(MPU
)やマイクロコントローラ(MCU)と分類されることもある.

 汎用プロセッサに対し,ある範囲の応用に必要な機能に特化したプロセッサ
が応用指向プロセッサである.応用指向プロセッサには信号処理プロセッサ(
DSP:Digital Signal Processor)やメディアプロセッサなどがある.ただし
,応用に必要なハードウェア機能を付加した汎用プロセッサで応用指向プロセ
ッサを構成することもあり,汎用プロセッサと応用指向プロセッサの境界は曖
昧である.

 さらに応用を限定してできる限り高い性能を実現するため,必要な機能その
ものをハードウェアで実現したものがアプリケーション専用回路である.例え
ば,地上デジタル放送を受信するための画像処理エンジンなどがそれにあたる


 また,近年の半導体技術の微細化の進歩により,複数のプロセッサが一つの
LSIに搭載されるようになってきた.このような形態のことをマルチコア,も
しくはマルチコアプロセッサと呼ぶ.


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1.2 組込みシステムの中におけるプロセッサの役割    

 組込みシステムにおいては,まずハードウェアやOSなどのシステム機能を初
期化,次にユーザプログラムを初期化し,その後で実行状態に入る.最後に終
了処理を行ってシステムを終了する.

 ここでは図1.2を用い,この流れの順に見ていくことにする.図1.2はCPU,D
SP,および周辺機能からなるマルチコアプロセッサ搭載LSIを中心とする簡単
な組込みシステムの例である.

●図1.2
-- http://cc.cqpub.co.jp/system/contents/107/


1.2.1 システムの初期化

 組込みシステムの初期化は複数のステップからなる.

 組込みシステムの電源がONになるとシステム内の各構成部品(プロセッサ,
液晶ディスプレイなど)が次々と電源ONになる(図1.2の(1)).各部品の中に
は複数の構成要素が含まれるものもあり,それぞれが電源ONになる.CPUもそ
のような部品の一つである(図1.3).多くの部品では,必要に応じて電源安
定後にハードウェア関連のチェックと初期化が行われ(図1.2の(2)),システ
ム全体を統括するCPUなどからの命令待ち状態になる.CPUやDSPのようにプロ
グラムによって動作するプロセッサの場合,ハードウェア初期化の後に実行さ
れるプログラムは,「リセット例外時の動作」として規定される(図1.2の(3)
).

●図1.3
-- http://cc.cqpub.co.jp/system/contents/108/

 CPUにおいては,ほかの構成部品と同じように初期化が行われたあと,BIOS
(Basic Input/Output System)が起動し,システム全体の認識および初期化
を開始する(図1.2の(4)).BIOSが起動したあとにOSが起動し,OSのタスク管
理などの管理構造,デバイスドライバ,CPU内のMMU(Memory Management Unit
)を用いたメモリ保護機能など,さまざまなOS機能の初期化が行われる(図1.
2の(5)).OSレベルの初期化が終われば,ユーザプログラム(アプリケーショ
ン)が実行可能になり,OSのデバイスドライバを通してユーザプログラムから
周辺デバイスを利用可能な状態になる.

 マルチコア(複数プロセッサコア)のようなマルチプロセッサ構成において
,OSが複数のプロセッサを管理する場合は,そのOSが管理するプロセッサのメ
モリマップや周辺デバイス,プロセッサ間通信機構を初期化することになる.
複数のOSが存在する場合は,システム仕様として各OSが管理するメモリアドレ
スや周辺デバイスが規定され,初期化が行われる(図1.4).共有デバイスの
場合は,起動OSやその方法,初期化の順序まで細かく規定されることになる.
●図1.4
-- http://cc.cqpub.co.jp/system/contents/109/

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